[東京 12日] -
最近の不透明感の源は、中国を中心に2007年頃までに構築された投資、債務、設備の3つの過剰だと筆者は考えている。
例えば、中国の鉄鋼の余剰生産設備は日本の生産設備の4倍程あると言われる。余剰生産能力を輸出に振り向けたい状況が、中国当局による元安誘導の動機と受け止められている。あるいは、シェール開発が進んだのも2008年頃までの原油価格高騰が背景で、同時に中東・ロシアでも能力増強が進んだことから今更減産には応じにくい状況だ。
また、一時の欧州銀の「CoCo債(偶発転換社債)」に対する不安も、リーマンショック前に作られたアセットに対する不良債権処理やデレバレッジが不十分だったことが遠因だろう。
実は日本も例外ではなく、シャープ(6753.T)が1兆円の国内設備投資を決断したのも2007年だったし、前期に赤字に転落した総合商社各社が資源ビジネスを結果的に過剰に拡大してしまったのもこの時期だ。
このように、年初から次々と襲ってきた悪材料の多くは、ブラジル・ロシア・インド・中国の新興4カ国(BRICs)ブームのころに起源がある同根の問題だと言える。あの頃は世界経済が大きく拡大すると誰もが思ったのだ。
<大天井から9年目に底を入れるパターン>
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