2016年9月27日火曜日

[東京 26日ロイター]コラム:「黒田フロアー」はドル99円にリセットか=鈴木健吾氏

[東京 26日ロイター] -

日米の金融政策決定会合は、いずれも政策そのものの変更は行わなかった一方で、今後に含みを残すものだった。そのため、様々な解釈が飛び交うなか、為替市場でも消化が進んでいる。

日銀については緩和政策の枠組みが大きく変更された。各論に対する様々な解説を目にするが、全体としては、あくまで緩和の継続と強化に向けた方向性が示されている。

量的緩和は金利を中心とした枠組みに変更し、目先は指摘されていた物理的な限界を取り払った。インフレ率2%の達成時期があいまいとなる代わりに「オーバーシュート型コミットメント」を導入し、サプライズを通じた短期決戦型から市場との対話を通じた長期持久戦型へと舵を切った。

マイナス金利導入による金融機関への悪影響や、インフレ見通しを引き下げるたびに市場から追加緩和を催促される悪循環を排除し、マイナス金利の深掘りや購入対象資産の拡大といった「切り札」は温存している。

一部には10年金利のゼロ%目標や80兆円の国債購入額があいまいとなったことなどに対してテーパリング(緩和縮小)的な要素を指摘する向きもあるようだが、各論だろう。総論としては、改めてインフレ率2%達成に向けて強力に緩和を進めていくために従来の枠組みを調整したものであり、必要に応じた行動をとる準備がなされたとみられる。

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