2016年10月6日木曜日

〔フランクフルト/東京 5日 ロイター]焦点:金融政策の限界鮮明、新たな現実に古い道具

〔フランクフルト/東京 5日 ロイター] -

主要中央銀行の超低金利政策によって金利は無きに等しくなったにもかわらず、企業と家計の借り入れは一向に増えない。経済のサービス化、技術革新、高齢化といった新たな現実を前に、従来の金融政策は壁に直面している。

日本とユーロ圏はいずれも貸し出しの伸び率が約2%で低迷している。つまり金融政策の波及メカニズムは少なくとも部分的に壊れており、日銀と欧州中央銀行(ECB)は数兆ドルの資産を購入しても、思うような効果を得られないということだ。

インフレと成長に対する中銀の影響力が低下している様子は、現代の金融政策の土台であるインフレ・ターゲティングの有効性に疑問を投げかけている。

今週ワシントンで開かれる国際通貨基金(IMF)年次総会では、こうした新たな現実の持つ意味が主要議題の1つとなりそうだ。中銀は、金融政策に負荷が掛かり過ぎているとして政府に行動を求め続けるだろう。

先進国で見られるサービス業主体の経済成長への移行、技術革新、高齢化といった変化はどれも、企業と家計の投資を抑制し、貯蓄を増やし、成長とインフレ率を押し下げる要因になる。

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